【コラム】3月の案件希望者指数は前月から横ばい、国際情勢が単価に影響する?

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、3月月初の数値は33.14とほぼ前月並みとなった。前年のこの時期と比べると31パーセント減とコロナの影響が大きかった昨春からは大きく改善している。

昨年7月以降の案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

年度末ということもあり、通常より人の出入りが激しい月になる関係で、ここ数年は春先の指数が上昇しているが、今月はコロナ禍からの回復なども手伝って比較的低い数字となった。パブリッククラウド系、アプリ制作などは相変わらず旺盛な需要が続いている。
その一方で、募集単価についてはほとんど変化がみられていない。素材や商品の値上げが先月から立て続けに起こっているにも関わらず、非正規の単価については変化の兆しも見られない。
これがスタグフレーションを意味するのかは、来月以降になってみないと判らないだろう。直近では戦争まで起こっており、今後大手の派遣企業などが大幅な値上げを申請する可能性もある。フリーランスよりはフリーを起用するクライアント側が動向を注視する必要がありそうだ。

同時に海外エンジニアの入国制限緩和や、ロシア・中国との関係悪化などエンジニア供給の出入りが激しくなりつつある。先端案件をウクライナなどに発注していた企業は乗り換えせざるを得ないはずで、その意味ではインドやベトナムなど戦争が直接関係しない国に海外エンジニアの需要が偏る可能性もありそうだ。

日本人エンジニアの単価上昇は現在起こっているインフレ対応、生活に直結する問題となる。新年度は単価交渉ができないエージェントを厳しく見極めて付き合う必要があるだろう。