【コラム】1月の案件希望者指数は前月から改善、日本は”人手不足”が基本の社会に変貌する?

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、1月月初の数値は32.43と前月から改善した。前年のこの時期とほぼ同じ数値になっており、コロナ禍以降の雇止め定常化がまだまだ続いていることを表している。

今年1月以降の案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

コロナ禍以前は、1月の案件希望者指数は全般に低めとなっていた。ゴールデンウイークもそうだが、長期の休業期間は非正規の募集、応募活動共に控えられていたためだ。しかし2020年以降は、季節や休暇有無にかかわらず求職をする非正規が一定数存在している。
個別の案件で見ると、コロナ禍以前に一定数存在していた「常時募集」の案件を見かけることが少なくなっている。非正規需要の総数が減った証左でもあるが、利用者(企業)の人員マネジメントの変化もあるようだ。

IT系のみならず、この状況であっても、各社で”人手不足”の声が現場から聞かれる。これは募集をしても応募が無いというよりは、現場が人員ひっ迫しても、あえて補充しないことが一因になっている。
例えば事務系業務自動化のBIツール導入に関する案件は増加傾向となっている。ツールに任せ、定常的に現場を人手不要にして回したい…と考えている企業が増えているのだ。もはや人間はどうしても必要な時だけに最短の時間だけ使うのが普通なのかもしれない。

”人手不足”が是とされる企業が日本に増加すると、社会はどうなるだろうか?我々は昨年末からその兆しとなるニュースをいくつか見ているのではないだろうか。
インフラや衣食住、交通の現場で、バッファが存在しないのが当たり前となる。電車やATMが簡単に止まって、何日も不便が続く。非正規は極小の就業機会のみが与えらえる。コロナをきっかけに社会がどのように変わるのか、我々は今後も注視する必要がありそうだ。