【コラム】10月の案件希望者指数は過去2番目、フリーは冬への備えを

11/08/2020

※10月の案件希望者指数は48.14の誤りでした。お詫びして訂正致します。

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、10月月初の数値は過去2番目の高い数値となった。

2020年1月 2020年2月 2020年3月 2020年4月 2020年5月 2020年6月
5.83 15.14 24.85 31.28 23.28 43.83
2020年7月 2020年8月 2020年9月 2020年10月 2020年11月 2020年12月
64.33 35.67 44 48.14

今年に入ってからの案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

10月月初の指数は 今年7月のパニック的な指数増加に比べるとやや改善されている。しかし数値としては前月の3.2倍で、今年2番目となっている。7月を下回った理由は、下半期で開発予算がついてある程度の非正規を抱えることになった企業があったことや、一般的な求職者の傾向と同様に、加齢やスキル面で低いことを理由に、案件が当分見つからないと考えてレジュメの公開をあきらめている層が一定数出てきていることもあるようだ。

案件自体のバリエーションにも変化が出ている。特に10月から年末にかけては、例年様々な業種の案件が出てくるが、今年は同一企業と思われる案件が複数のエージェントから出ていたり、(金融や携帯アプリ開発など)案件がある業種に偏りが見られている。
状況は完全に昨年と異なり、かつ長期化しつつあるとできそうだ。

また懸念事項としては、持続化給付金の給付以降、政府による目立った打ち手が見られないことだ。中小企業デジタル化応援隊のような個別の案件紹介もあるが、現時点で数十件程度が成約しているだけで、マーケットの縮小を補う効果とは到底言えないレベルが続いている。

これまでの政府の動きを見ても、今後は予算の枯渇をにらみながら、規制緩和や予算の付け替えのような支出の小さいタイプの対策が五月雨に打たれる可能性が高い。非正規を抱えて来た企業が下半期に予算を使わないと決めている以上、フリーランスは短くともこの先半年は、最大限の自己防衛対策を準備する必要があるだろう。