【コラム】12月の案件希望者指数は今年9月以来の大幅悪化、非正規は今や3か月で調整される立場に

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、12月月初の数値は44.29と前月から大幅に悪化した。前年のこの時期と比較しても約5パーセントの増加になっており、非正規は腰を据えて働くことなど望むべくもない就業形態になりつつある。

今年1月以降の案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

今年に入ってから6月、9月などの四半期末には非正規の雇止めは顕著で、案件希望者指数も悪化する傾向があった。12月になってもこの傾向は続いており、クライアントが3カ月単位で細かく利用調整している様子がはっきりしている。

ただしエンジニア、SEの正社員需要や特定分野のフリーランス(AWSなどのクラウド系、ビッグデータ系)需要は比較的旺盛で、簡単にスキルが得られないビッグデータ、クラウド系のジャンルでは募集が一定数見られている。

新政権に代わって、政府は30万人規模の成長シフト・再教育を行うと発表しており、大手の派遣事業者などがこれに対応すると予想される。しかしフリーランスがこういった教育に個人で対応した場合に何かしらの補助が出るとの記載はなく、今回もフリーランスは蚊帳の外で自助努力することになりそうだ。それどころか需要が大手の派遣企業に食い荒らされる可能性も出ており、政策の展開を注視する必要があるだろう。

選挙前には持続化給付金の再配布などの公約も出ていたが、10万円給付のごたごたに隠れてトーンダウンしている。補助金も無く、需要創出も送れる現状の中、フリーランスは昨年に続きまたもや厳冬に耐えるはめになりそうだ。