【コラム】2月の案件希望者指数は前月から再び悪化、コロナ”禍”は2年目を迎える

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、2月月初の数値は38.67と1月から悪化、前年比で2.6倍になった。

昨年7月以降の案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

前年比ではここ数か月4~5倍の状態が続いていたため、見かけ上は改善している。ただ昨年2月はコロナパニックが雇用(特に非正規)に影響を与え始めた時期でもあり、3月以降はいよいよ非正規のコロナ禍が2年目を迎え、指数も前年比では大きく変わらない状態になると予想される。このため本格的な改善(前年比で1を大きく下回る状態)にはやはり程遠いとできそうだ。

尚フリー向けの案件は今年に入ってやや増加傾向にあり、このまま増加が続けば来月以降指数が改善する可能性もある。日経新聞などの報道によると正規雇用では若手のプロ人材への求人が高まっており、手っ取り早く結果が出せる便利な人材への需要が増加している。正規雇用のフリーランス化とも言える状況だが、都合の良い人材はそう簡単には見つからないだろう。フリー向け案件でも人材要件がやたらと厳しい案件は締め切りを過ぎても充足しない事がままある。案件が増加傾向なのに案件希望者指数が高止まりなのもこれが原因で、利用する側が採用条件を緩和し始めてやっと指数は改善すると思われる。

コロナによる影響が1年もの長期に続く中、政府は飲食店の営業自粛など景気に対しマイナスな動きのてこ入れに終始し、与野党の誰からもコロナ復興という言葉は聞こえてこない。それどころかIT系の施策でも中小企業デジタル化応援隊事業の実質終了案内など、非正規需要改善の動きは取れないようだ。非正規のマジョリティである”普通の人”に対する需要が増加しない、また需要創造も行われていない現在、非正規労働者は過酷な”自助”を続ける必要があるだろう。