【コラム】8月の案件希望者指数は前月から改善、フリーランスの”商戦期”を予想する

09/08/2022

当サイトで案件希望者指数(1日あたりの稼働空き・案件参画希望者数を指数化したもの)を定点観測していたところ、8月月初の数値は31.86と前月比で21パーセント減少、改善した。昨年の同月と比較しても約9パーセントと改善、夏枯れによる案件減少の懸念は解消されつつある。

今年1月以降の案件希望者指数

この指数は各月月初、各社に案件参画希望として公開されるフリーランスや派遣会社勤務のエンジニア・コンサル・SEの人数を元に計算したもので、案件に参画したいがフリー(要するに参画できる仕事がない)状態の人の増減を示している。

オープンになっているのは依然として銀行、証券のような金融系、メーカーによる案件がメインとなっているが、業種にこだわりがなければ比較的案件参画しやすい状況になっている。ただこれはある程度の経験があるエンジニアについてであって、(経験が1年に満たない)駆け出しエンジニアを、テスト以外の開発現場に積極投入するには各業種とも至っていないようだ。
つまり経験のあるエンジニアが流動的に案件を変えている状態が安定的に続いているとできるだろう。

SESも元請けに倣ってこれから夏休みを迎える、その後は秋に向けて大手がフリーや派遣を利用する商戦期が始まる。年末・年度末に向けてサービスや製品を一定の形にするため、非正規を投入する現場が多く出てくるだろう。

ただしそれもインフレや戦争など、社会情勢にマイナスな変化が起きないことが前提だ。仮想通貨やFXのような余剰資金が流れる業種は依然として低迷が続いている。フリーランスとしてこの秋以降、新規の案件に参画希望している人は景気や社会情勢の動向に注意して、案件を我慢強く探す必要があるだろう。